ストロボを使った屋内ポートレート撮影では光をコントロールしよう!
広島、徳島を拠点にカメラマン、ビデオグラファーをしている旅スタジオの豊田輝です。
今回は、ストロボの光の特徴についてご紹介します。
使用するストロボは以前の記事でも紹介した、nissin MG80Proです。
このストロボを使用して、カメラの上に付けて発光(クリップオンストロボ)、カメラから離してワイヤレス発光(オフカメラストロボ)、2パターンで撮影。
それぞれの光の質の違いなどを、自撮りポートレート写真を参考に紹介します。
1.クリップオンストロボ・直当て
ストロボを使った撮影で最初に試してみるのはこのカタチではないでしょうか。ストロボ直当てです。
カメラ内蔵ストロボも、だいたい同じような光の質になると思います。
このまま撮影すると、
「ストロボの光を当てて撮りました!」
という主張の強い写真になります。
今回、ストロボ直当てで自撮りした写真はコチラです[jin_icon_arrowbottom color=”#e9546b” size=”17px”]
正面から直接、ストロボ光を当てているので、どうしても顔がのっぺりした印象になってしまいます。
まぁ、私の顔の堀が浅いということもありますが…。
2.クリップオンストロボ・天井バウンス
ストロボを使って次に試みるのは、この天井バウンスではないかと思います。
天井にストロボ光を一度当てて、光を拡散させた上で被写体に光を当てる撮り方です。
光の質が柔らかくなる上、被写体全体に光が均一に降り注ぐようイメージです。
今回、天井バウンスで自撮りした写真はコチラです[jin_icon_arrowbottom color=”#e9546b” size=”17px”]
ストロボ光直当てより、柔らかい光が当たっている感じが明らかに見てとれます。
ただ、上からの光なので、どうしても顎から首にかけて影になり、皮膚の色が黒っぽくなってしまいます。
3.クリップオンストロボ・壁バウンス
クリップオンストロボでは少し上級者向けの光の作り方です。
上級者向けとはいっても、壁バウンスの特徴さえつかめば誰でもできるようになります。
今回は、カメラの右斜め後ろの壁に光を当てて、その反射光を被写体に当てています。
そして、被写体にとっては斜め前から、光が当たるように角度をコントロールしています。
今回、壁バウンスで自撮りした写真はコチラです[jin_icon_arrowbottom color=”#e9546b” size=”17px”]
先ほどの天井バウンスと違って、顎から首にかけても暗くなっていないし、顔全体に影がないために柔らかいイメージの写真になっています。
通常、プロカメラマンも屋内でのクリップオンストロボ撮影は、この壁バウンスを使用することが多いです。
ただ、問題点として、先ほどの天井バウンスもそうですが、壁や天井が白色であることが前提です。
もし、色が付いている天井や壁だった場合、その色が光の色を変えて、被写体に当たることになるので、注意が必要です。「色かぶり」した写真なってしまいます。
4.オフカメラストロボ
最後は、カメラからストロボを離して発光させる、オフカメラストロボで撮影した写真の紹介です。
カメラから外してストロボから発光させる際には、ストロボをワイヤレス発光させるトランスミッターが必要です。今回は、nissin製のストロボを使用したので、nissin製トランスミッター・Air10sを使用しました。
そしてストロボを配置した位置は、「3.クリップオンストロボ・壁バウンス」の光の方向と同じく被写体の斜め上から光が当たるように配置しました。
被写体の斜めの位置から斜めの角度(45度)で当てる光のことを『レンブランド光』といいます。
ちなみにレンブランドは17世紀に活躍した、光と影の明暗を明確にする技法が特徴の偉大なアーティストです。
そのレンブランド光を当てて自撮りした写真がコチラです[jin_icon_arrowbottom color=”#e9546b” size=”17px”]
壁の近くで撮影したため、壁に影が濃く出ており、そちらに目がいってしまいますが、狙って作った顔の影が、ある意味、表情の味わいを出してくれているように見えます。
このレンブランド光は、特にポートレート(人物撮影)で用いられています。インタビュー写真やポスター写真なども含めて、人物の表情が大きく出ている場合、気にかけて見てみるとその多くが、レンブランド光で撮影した写真です。
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今回は、ストロボ光の特徴について、その一部を紹介しました。
一灯のストロボを使用した内容となりましたが、ストロボコマンダーを使えば、二灯、三灯と多灯ライティングで撮影することも可能で、プロの現場では、多灯ライティングでの撮影がほとんどです。
ストロボ光を使った撮影は奥が深いので、また、違う内容の記事を綴りたいと思います。